 
安全靴は「つま先を先芯によって保護し、すべり止めを備える靴」と日本工業規格(JIS)では定義され、JIS認定工場で製造されています。重量物がつま先部に落下する可能性がある作業環境で主に使用されていますが、様々な作業環境の中で長時間履かれることも想定されます。そこで安全性のみでなく、着用者の快適性も求められています。
足部保護具は、「安全靴(JIS T 8101)」と静電気が原因となる災害を防ぐ靴として「静電気帯電防止用安全靴・作業靴(JIS
T 8103)」の2種類が日本工業規格で規定されています。その他様々な作業環境に適応するよう開発された各種の靴がありますが、それらは特にJISによって規定されたものではなく、ユーザーのニーズに対しメーカーが独自の技術を持って開発したものです。
■どのくらいの重量物から安全靴を着用する必要があるのか。
まず、安全靴のつま先保護性能には限界があることを前提で考えて下さい。JIS規格でのS種普通作業用の試験では、20kg±0.2kgのストライカーを36cmの高さから自由落下させて、その時の先芯のつぶれの寸法を規格としています。
通常重量物を持つ場合は、腰の位置(約70cm)で持つ場合が多いと思いますので、JIS規格の衝撃エネルギーで考えればストライカーに相当する重量は10kgとなります。したがって10kg程度までの重量物を運ぶことがある場合は、つま先は確実に防護するために安全靴を着用し、それ以上の重量物を運ぶ場合には、万一落下事故があったとしてもつま先部の損傷を軽減するために安全靴を着用することをお薦めします。
■実際に安全靴のつま先の防護性能はどの程度あるのか。
JIS規格のS種普通作業用の衝撃試験を想定してみましょう。20kg±0.2kgのストライカーを36cmの高さから自由落下させた時のつま先部の先芯の最もつぶれた部位と中底とのすきまの寸法は、サイズ25.5cmの人で13.5mmです。この寸法は、つま先部の指の厚さと比較して個人差もありますが、指の骨の厚さを考えた場合何とかクリアーできる数値です。つまり、実際に安全靴を着用中、20kg±0.2kgのストライカーを36cmの高さから落ちてきた場合でも、打撲程度の損傷はあるかもしれませんが、骨折は最悪防げる程度の防護力があると考えられます(若干個人差があります)。
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