安全靴のサイズの選び方
靴のサイズ表記は目安にすぎません。下記のポイントに留意して適切なサイズを選びましょう。
自分の足に合った安全靴を選ぶことは、疲労の軽減や事故の防止につながります。
- 靴に足を入れ、普通に立った状態で全体のフィット感をチェックしてください。
足に圧迫感やどこか当たる部分がある場合はサイズを上げて再度チェックしてください。
- 靴紐を締めないで足を前一杯に移動させ、かかとに人差し指が軽く入るかを確認してください。
入らない場合はサイズを上げてください。

- 靴紐を締め、親指のくびれた部分に先芯の後端部が来ることを確認してください。
およそ合致していれば問題ありません。

- 足の一番広い部分と、靴の一番広い部分が合っているかを確認してください。
この部分が合わないと足に圧迫感があったり、靴の中で足が前後に動きやすくなったりしてしまいます。

- 実際に歩いてみて、〇の部分に強い圧迫感がないことを確認してください。

安全靴のお手入れ方法(革製の場合)
泥やホコリが付くと汚れやシミなどで革が硬くなってしまいます。
毎日ブラシをかけ、3日に1回は革靴用のクリームを塗り、革に栄養を与えてください。
新しい靴にクリームを塗るのはなんとなくもったいないような気がしますが、クリームは革の表面に薄い膜を作り、傷や汚れを防ぐことができます。また、靴底の泥や石の目詰まりは歯ブラシなどで時々落としてください。
通常のお手入れ
柔らかい布やブラシでホコリや汚れを落とします。
次にメリアス地などに靴クリームをとり、靴全体に薄く伸ばした後、磨き布で拭きあげます。
汚れ・シミがひどいとき
濡れた布に石鹸を付け、汚れた部分だけ軽く拭き取り、その後にクリームを塗ります。
ベンジン等は絶対に使用しないでください。
濡れたとき
安全靴が濡れたときは日光や直火で乾かさず、新聞紙を丸めて詰め込み、風通しのよいところでかげ干ししてください。
その後にクリームを多めにすり込んでください。
靴用クリームの使い分け
靴用クリームは主に2種類あります。
- 乳化性クリーム・・・ 革の繊維部分に油が染み込みやすい。ビン入りが多い。
- 純油性クリーム・・・ 光沢が出て防水性に富む。缶入りが多い。
純油性クリームを多用すると革質を傷めるので、通常は乳化性クリームを使用し、純油性クリームは最小限にとどめたほうがよいでしょう。
安全靴・プロスニーカーの交換の目安
安全靴・プロスニーカーの使用頻度、業務内容、業務環境によって交換するその時期は様々ですが、「安全靴・プロスニーカー技術指針」※の「6.4廃棄基準」において下記のように定められています。
- はとめ、ボタンなどが脱落し、修理不能なもの。
- かかとの腰革がつぶれたものや折れ曲がったもの。
- 大きな衝撃を受けたもの。
- 甲被が破れたもの。
- 甲被の摩耗、破れなどにより先芯が露出したもの。
- 表底が剥がれたもの。
- 表底の損傷が著しいもの。
- 表底の模様がなくなる程度に磨り減ったもの。
先芯や外観に異常が認められなくても、一度でも大きな衝撃を受けたものは変形やひび割れが生じている恐れがあるため廃棄してください。
※独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
ウレタンの宿命 加水分解
加水分解とは
靴底にウレタンを使用した安全靴・プロスニーカーは軽量でクッション性に優れ摩耗に強く、使用者の疲労軽減に役立つため、広く普及しています。しかしウレタンの物性上、使用頻度にかかわらず加水分解によって靴底に亀裂や剥落が生じる場合があります。
加水分解はウレタンが水分と化学反応することによって物質強度が低下する現象です。ウレタンの生成(靴底の生産)段階から加水分解が始まり、靴底の内部強度が落ちていきます。保管条件や使用状況によって劣化速度・耐用年数に差が出ます。
ウレタン底搭載製品の取り扱い方法
- 風通しの良い直射日光の当たらない場所で保存しましょう。
押し入れや下駄箱は湿気や空気が停滞しているため保存には適しません。
- ご購入後はお早めにご使用ください。
着用することで空気が滞留せず、加水分解が進行しにくいため長持ちします。
- 水分が付着した場合は速やかに拭き取ってください。
- 定期的に着用し、長期保存をしないようご注意ください。
長期保存が必要な場合は、ウレタンではなく高機能樹脂を使用した靴をご用命ください。
加水分解チェックリスト
長期間保存していた靴を履いたら、出先で靴底がぼろぼろになり困ってしまった。こんなことにならないように、長期間使用していないウレタン底の靴は事前にチェックしてみましょう。下記のチェック項目に1つでも当てはまる場合はご使用をお控えください。
- 靴底をさわるとベタベタしている。
- 靴底を爪で強くひっかくとボロボロと崩れる(特に靴底と甲被の境目をチェック)。
- 靴底を折り曲げると弾力性がある。折り曲げたときに割れが生じる。
- 履いたときのクッション性に以前とは異なる違和感がある。
- 高温多湿の場所に長期間保存していた。